あの頃のこと(26)勝ち方と負け方

ステージでの衣装は、服飾のプロだった友人に作ってもらっていました。

作詞家としてデビューした後も、自分の音楽はつくっていました。自己表現というわけではありません。何かしら、伝えるにふさわしい(と思う)情報があり、それが自分の身体に音楽として流れるうちは書いていこうと思っていたのです。(これは1995年まで続きました。)

音楽をつくると言っても、わたしはメロディー譜だけを書き、アレンジは口頭でバンドのメンバーに伝えるという方法でした。一緒にやっていたミュージシャンのうち何人かはプロとなり、タモリさんの音楽番組にも出演したり、と活躍していました。つまり、わたしには音楽にまつわる特別な才能はなかったということなのですが、それでも、何曲かのとても気に入った曲といくつかの思い出深いステージは、わたしにとって大切な人生のお土産となっています。

成功体験はのちに縛りとなる可能性もあります。成功体験が全くないと、勝ち方がわからないということにもなるのでしょうが、あったからと言って、その勝ち方でまた同じように勝てるとは限りません。むしろ、その勝利のプロセスとそこで味わった甘美な記憶をうまく忘れていく必要すらあります。才能や運や本人の意思、環境、いろいろなものがキッチリと噛み合うタイミングでないと、なかなか大化けすることにはならないのかもしれません。(小さく化けるくらいのことは、ちょいちょいあると思いますが。化ける=咲く、くらいの意味です。)

大切なのは、上手な負け方を知っているかどうかだと思うのです。一生懸命やって、それで力及ばずという負け方。潔い負けを経験しているかどうかは、その後の自分をどう扱うかに大きな影響があるなぁと感じています。

(つづく)

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