あの頃のこと(32)仕切り直し

頭の中にあれほど鳴っていた音楽は、もう鳴らなくなりました。(鳴らさなくなったのかもしれません。)中には、詞だけでも書くように言ってくれるレコード会社の人もいましたが、わたしは「もういい…」と思いました。

そして、1995年。関西で大きな地震が起きました。自宅は震度3のエリアだったので、大した揺れではありませんでした。でも、友人たちの周りには多くの影響がありました。わたしは「生き残ってしまった」とさえ思う始末でした。
春になり、わたしは勤めを辞めることにしました。辞めた翌朝、起きてTVを点けると、今度は東京で大変な事件が起きていました。
それから約3か月間、わたしは心理的な自宅待機のような状態となりました。何を待っていたのでしょうか?また動き出せるようになる自分を待っていたのだと思います。
(でも、よくよく思い返してみたら、その間にマレーシアに遊びに行っていました。首都クアラルンプールの高級ホテルのイタリアンがひっくり返るほど美味しかったことを思い出します。吐いてでも、もっと食べたい!と思った初めての体験でした。)

動き出すきっかけは、呆気にとられるほど簡単なものでした。7万円だか8万円だかのワンピースを見つけて、それを「欲しい!」と思ったのです。買うには、また稼がねばなるまい、と思いました。欲望の力のおかげです。

まずは、自宅近所の書籍&CDのお店にアルバイトに行きました。すぐにCDコーナーの担当になり、在庫管理の精度を上げることと店頭での工夫によって売り上げを伸ばしました。初めてのダイレクトなお商売体験です。「わたし、イケるなぁ、上手いなぁ」と思いました。仕事の成果が数字になって表れる喜びを知ったのです。

これは、風邪を引いていた時の写真ですね。ピントだけではなく、わたし自身もぼーんやりしています…。

その後、史料館、そして美術館のオープニングスタッフに誘われました。いずれも受付業務とそのマニュアルの策定です。
かつての仕事であった秘書業務の一部が役に立ちました。

更に、新しい場は新しい自分とその能力を発見する機会となったのです。思った以上にできること、できないこと、やりたいこと、やりたくないこと、いろいろありましたが、それらを知っていくのは、自分に関するデータを取っている気分でもありました。

(つづく)

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